看護学博士
School of Nursing, Midwifery and Indigenous Health Faculty of Health Sciences
井上 久美代
ウーロンゴン大学はシドニーから八十キロ南にある海沿いのウーロンゴン市という所にあります。キャンパスは自然を保護するように建物が建てられオーストラリアらしい雰囲気作りを大切にしている大学です。
わたくしが、このウーロンゴン大学看護学部の学部長付きリサーチアシスタントとして雇われたのは、シドニー大学看護学部で博士号を取得して直後のことでした。それから四年半、私の役割はリサーチアシスタントから、大学院(博士号・修士号)の研究過程の生徒に対する指導に移っていきました。
過去2回ほど学士過程の最終学年で行われる看護研究の授業を担当させていただいたことがあります。この時、半年のコンバージョンコースに在籍していた六名の日本人看護師さんたちに出会っています。実はわたくしは、彼女たちの直接のクラス担任ではありませんでしたが、彼女たちは全員私のオフィスの常連客になりました。課題の取り組み方や質問の解釈のしかた、プレゼンテーションの方法、文献レビューのテーマの選択などなど学生さんからの相談ごとはさまざまでした。そしてコース終了時には、どの生徒さんも口を揃えて、看護研究の面白さを学んだと仰ってくださいました。日本人看護師さんの、まじめさと一生懸命さをみていると、同じ日本人として大変誇りにおもったものです。わたくし自身も学生さんたちからたくさんのエネルギーをいただきました。
海外で勉強するということは決して楽なことではありません。文化の違い、考え方の違い、勉強方法の違いなどなどで悩むこともあるでしょう。しかし、その体験が決して無駄にはならないということは確かです。勇気の一歩を踏み出すのはあなたの決断次第です。