
おめでとう ー 最近ウーロンゴン大学を卒業した日本や他国の留学生たち
- TESOL最新情報
- TESOLとは
- 取得可能な学位
- 英語力条件
- 授業料の30%を免除する大学院コースワーク奨学金
- ウーロンゴン大学のTESOLはどこが違う?
- キャンパスで学ぶ
- 通信で学ぶ
- キャンパスと通信で学ぶ
- TESOL教育学修士: 日本人教員向けプラン
- ウーロンゴン大学でTESOLを学ぶ日本人学生について
- TESOL課程スタッフ紹介
TESOL最新情報


柳美帆さんの論文が「TESOL Journal」に発表されました NEW!
ウーロンゴン大学TESOL専攻教育学修士課程の卒業生、柳美帆さんの論文が「TESOL Journal」に発表されました。この論文は、ウーロンゴン大学(オーストラリア)教育学部のTESO講師 アマンダ・ベイカー博士との共著です。




TESOLとは
TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)とは英語を母国語としない人に対する英語教授法を専門的に学ぶ学問分野で、TESOLの学位は英語教師としてのキャリア構築に役立ちます。
オーストラリアでは小・中学校のESLプログラム(英語を母国語としない生徒に英語のサポートを行うプログラム)、移民向けの英語コース、留学生向けの大学進学準備コース、大学での英語サポートサービスなど多様な場で英語教育が必要とされ、それを背景としてTESOLプログラムが大きく発展しました。現在では博士課程に至るまでのコースが確立されています。
取得可能な学位
TESOL専攻グラデュエート・サティフィケート
入学条件: | 次のいずれかを有すること 学士号(分野不問)、教員免許、免許相当の教授経験 |
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入学時期: | 2月 |
期間: | 1学期(18週間) |
合計授業料: | 13,824豪ドル |
特徴: | 教育実習あり、実践重視 |
TESOL専攻グラデュエート・ディプロマ(準修士に相当)
入学条件: | 学士号(分野不問。英語教授関連科目を履修していれば尚良し) |
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入学時期: | 2月、7月 |
期間: | 2学期(1年) |
合計授業料: | 27,648豪ドル |
特徴: | 教育実習あり、実践重視 |
TESOL専攻教育学修士 - Coursework
入学条件: | <1年コース> 学士号(分野不問)+教員免許 +常勤3年相当以上の英語教授経験 <1.5年コース> 学士号(分野不問) |
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入学時期: | 2月、7月 |
期間: | 2学期(1年)または3学期(1.5年) |
合計授業料: | <1年コース> 27,120豪ドル <1.5年コース> 40,680豪ドル |
特徴: | 教育実習を選択可(1.5年コースのみ)、実践+理論 |
教育学修士 - Research(Master of Philosophy)
教育学博士(Doctor of Education)
博士(Doctor of Philosophy)
備考
- Coursework:各科目の試験、小論文、発表などで評価される。Research:研究主体
- 授業料は2020年のもの。
- 通信制の2022年入学時期は2月、7月
英語力条件
入学時までに以下のいずれかを満たす必要があります。
- IELTS 6.5 (各セクション6.0)
- TOEFLインターネット版 86(R18、W18、L17、S17)
- 付属カレッジで所定の英語コースを所定の成績で卒業
英語力条件を満たしていなくても出願できます。その場合、入学時まで(英語コースとのパッケージでない場合は学生ビザ申請前まで)に英語力条件に達することを条件とした条件つき合格通知が発行されます。
授業料の30%を免除する大学院コースワーク奨学金
「Postgraduate Academic Excellence Scholarship」は、優秀な大学院コースワーク課程出願者に対して授業料の30%を免除する奨学金制度です。出願すると自動的に当奨学金の審査対象となり、過去の学業成績に基づいて審査されます。
(注:Doctor of Medicine, Nutrition and Dietetics, Exercise Physiology,Teaching, Social Work and Psychologyの各課程は対象外。TESOLは対象になります)
ウーロンゴン大学のTESOLはどこが違う?
ウーロンゴン大学のプログラムでは、理論と実践のバランスが重視されています。講師は全員オーストラリアや海外で教師の職に就き、小学校、中学校、あるいは成人教育の場で実際に教えた経験を持っています。実践面を強化するため、EDGT934 English Pronunciation and Pedagogy(英語発音教授法)とEDGT931 Oral Communication Pedagogy(オーラルコミュニケーション教授法)の2科目が設定されています。これらの科目では最新の理論を教授しつつも、英語を母国語としない生徒を実際に受け持ち、その中で事例研究や教材開発を行うという実践的評価方法を取っています。また、小学生を対象とした英語教授について学ぶことができます。
TESOLプログラムから研究の道に進み、修士・博士号を取得することもできます。研究プロジェクト主体の教育学修士号(Master of Philosophy)を取得した学生は、言語学・言語教育の研究者として博士課程に進学することが可能です。これまでに10人以上の日本人学生が修士・博士課程に進んでいます。また、ウーロンゴン大学のTESOLプログラムには、体系機能文法の分野で著作の多いDerewianka教授、学級内相互作用・対話で知られるPauline Jones博士、アカデミックライティングのHonglin Chen博士など、国際的に高く評価されている優秀な講師が揃っています。
オンキャンパスのTESOLプログラムはウーロンゴン大学で最も人気の高いプログラムの一つです。学生にはオーストラリアの英語教師もいれば、海外で英語を教えてきた人もいます。のんびりした地方都市でありながら、シドニーにも近いウーロンゴンの地の利も人気の理由の一つです。
キャンパスで学ぶ
通学制での受講は、オーストラリア人学生はもちろん、日本、韓国、アルゼンチン、中国、スウェーデンといった各国の学生とともに、大学でのラーニング・コミュニティの一員となって学ぶことを意味します。授業形態もフレキシブルで、クラスルームでの講義とオンラインサポートを組み合わせた多様な教授法を採用しています。講義は通常、夜に行われているため、昼の時間を自習、グループワーク、実務研修、仕事などにあてることができます。
通信で学ぶ
すべてのコースがオンライン(通信教育)形式でも提供されています。まったくキャンパスに通う必要のないこの受講形態では、キャンパスで実施されているものと同じ高水準の教育を日本にいながら受けられます。通信制では年2回(2月、7月)の入学日が設けられ、履修のペースは自由なので、自分に合った学習計画を立てることができます。
キャンパスと通信で学ぶ
通学制と通信制を組み合わせることもでき、たとえば、1学期だけオーストラリアで勉強し帰国後に仕事をしながら通信制で少しずつ受講するなどのスケジュール設定が可能です。
TESOL教育学修士: 日本人教員向けプラン
日本人教員の方が1年間休職して留学する場合、通学制と通信制を組み合わせた以下のプランをおすすめします。
最初の「集中英語学習」では大学付属のUOWカレッジで英語コースを受講し、それを所定の成績で修了すれば修士課程の英語力条件を満たしたと認定されます。
帰国後に通信制で学ぶのは1年コースであれば2科目、1.5年コースであれぱ6科目です。受講のペースは自由ですが、一般に1学期あたり1~2科目です。
4月~6月 | 7月~11月 | 11月~翌年2月 | 3月~ |
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集中英語学習 12週間(期間は調整可) |
教育学修士 - TESOL 春学期 |
教育学修士 - TESOL 夏学期 |
教育学修士 - TESOL 秋学期~ |
英語力をブラッシュアップして修士課程での勉強に備えます。 | 修士課程の4科目をキャンパスで受講します。 | 現地に滞在しながら、2科目を通信制で受講します | 帰国後に通信制で残りの科目を受講します。 |
ウーロンゴン大学でTESOLを学ぶ日本人学生について
ウーロンゴン大学の大学院が提供するTESOLコースでは、学生の約5%が日本からの留学生です。このように割合は低めですが、どの学期も約100人の学生のうち5~6人程度が日本人ということになります。
日本人留学生はどんな人?
以前から多くの日本人がTESOLを学ぶためにオーストラリアへ、とりわけウーロンゴン大学へ留学していますが、最近は特に、現役の英語教師がウーロンゴン大学の1年間の修士コースに入学するケースが増えています。たとえば、中学校・高校の教員や、英会話学校などの民間教育機関の講師です。そのような方々の多くに共通する留学目的は、最新の教授テクニックを体験・学習するとともに、言語やリテラシーの概念理解を深めることです。「スピーキングの教え方」、「リスニングの教え方」といった実践的科目を中心に選択し、さらには教育実習を行う人もいます。あるいは、より理論志向の科目を履修したり、プロジェクト参加や論文執筆を通して特定のテーマを深く掘り下げたりする人もいます。
英語を教えた経験がない、あるいは教育学の学位を取得していない日本人が、ウーロンゴン大学のTESOL専攻グラデュエート・ディプロマのコースで学ぶというのも一般的です。このコースは、分野にかかわらず学士号を持っていれば出願できます。TESOLの実践面を重視した内容となっており、実習も盛り込まれています。1年間(2学期)のコースですが、1学期追加して、計1年半(3学期)で修士号を取得することもできます。
これまでにTESOLコースに入学した日本人の大まかな男女比は、女性6割、男性4割です。配偶者・お子様同伴のケースや、日本の勤務先を1年間休職して留学するケースもあります。多くの方は、大学院生専用の学生寮に滞在します。
ウーロンゴン大学でTESOLを勉強した日本人の方々からは、このコースについて大変高い評価をいただいています。概して留学生は日々の勉学にすぐに慣れ、友人を作り、ウーロンゴンのゆったりとしたライフスタイルを楽しみます。ほとんどの方は、大学院に入学する前に、大学キャンパス内にあるUOWカレッジの集中英語コースに参加します。英語コース期間中にアカデミック英語を学び、大学院のTESOLコースの英語力条件を満たします。またTESOLの現場を体験するという点でも、英語コースの受講は有意義です。
最近ウーロンゴン大学へTESOL留学した方の感想を、ぜひご一読ください。
TESOL課程スタッフ紹介

ウーロンゴン大学(UOW)のTESOL講師、Michael BurriさんはTESOLコーディネーターとして学生の皆様のお世話をしています。
初めてTESOLに携わったのは2000年1月に関西地区で英語、ドイツ語、体育を教えたときでした。その後、2008年にトリニティ・ウェスタン大学でTESOL専攻人文修士号、2016年にUOWで博士号を取得しました。日本、オーストラリア、カナダでの教授に加え、発音教授、第二言語教員養成、革新的教育学、英語を母国語としない教員(NNEST)の問題に関わる多様なコンテクストで研究を行ってきました。
言語教授と教員養成に関する主要学会誌で論文を発表し、さらに地域的、全国的、および国際的なカンファレンスで数々の発表をした実績があります。TESOLのSpeech, Pronunciation, Listening Interest Sectionの議長を務め(2012~2013年)、 2015年にはNNESTの問題に関する優れた論文でTESOLアワードを受賞しています。
TESOL Journal 掲載論文Empowering Nonnative‐English? Speaking Teachers in Primary School Contexts: An Ethnographic Case Study

オーストラリアのウーロンゴン大学のTESOL修士課程へようこそ!私はアマンダ・ベイカーです。TESOLプログラムのコーディネーターを務めるとともに、数多くのTESOL科目を教えています。私は長い間、日本と関わってきました。というのも、1999~2002年の外国語青年招致(JET)プログラムに参加することによって、キャリアをスタートさせたからです。日本で教えた経験がとても楽しかったので、最初はESL/EFL教師として、そして今はTESOL教師の教育者としてキャリアを築くことを決めました。
ウーロンゴン大学TESOLプログラムへの日本人留学生は、10年以上の教員経験を持つ方から、教えた経験がまったくない方まで、さまざまです。教授経験のある方は日本における英語教授についてすでに豊富な知識があり、新しいアプローチやテクニックを習得するためにこのプログラムに入学します。教授経験の少ない方は、教員として新たなキャリアを始めるにあたり役立つ方法論を熱心に学びます。もちろん、このプログラムの受講は大変ですが(英語で読み、英語で課題を作成するなど)、同時に楽しくもあり、苦労するだけの価値が必ずあります。日本人留学生は皆、オーストラリア人や世界各国からのクラスメイトとの共同作業を、かけがえのない体験と感じるようです。英語を教えるための知識が増えるだけではなく、オーストラリア人やほかの留学生との交流によって英語力も磨かれます。
日本人の皆さんはとても意欲的で勉強熱心なので、私は個人的に日本人留学生との共同作業を楽しんでいます。中には、このプログラムをあまりに気に入ったために、日本で在籍する学校の校長と交渉してオーストラリア滞在を延ばし、勉強を続けた方も何人かいました。また、日本における英語教育の質の向上を目指す学生たちが、マイナープロジェクトを通して教育制度の改善に貢献しました。事実、日本人卒業生の柳美帆さんと私は最近、マイナープロジェクトとして「オーストラリアの大学で日本人留学生がオーラル・コミュニケーション・スキルに関して経験する課題」という論文を共同執筆しました。そしてうれしいことに、その論文が「TESOL Journal」誌に掲載されることになりました!
近いうちにぜひお会いしましょう!